入り口

昨日、寝る前に急にビールが飲みたくなったのでコンビニまで出かける。強風がいろんなものを吹き飛ばしたおかげでまっさらになった夜空にぽつんと浮かぶ月はやたらと鮮やかで低くて近くて冷たい。あまりにもくっきりと浮き上がった月を見るたびに思うのだけど、あれは球状の光源が空に浮かんでいるのではなくて、空に開いた穴なのではないか。何かの拍子に穴が開いてしまって向こう側の世界から漏れる光を我々は月と呼んでいるのではないか。三日月なんてまさに爪で引っ掻いた痕みたいじゃないか。
バカだと思ってるんでしょう？ でもそうじゃないって言い切れるの？ 月行ったことないでしょ？
さて、正解を君たちだけにこっそり教えると、あれは魔界へ通じる入り口なのだ。そのうちあそこから悪魔がこっちの世界へ入り込んできて人間界を支配するのだ。あはははは。あはははははははは！
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引いた？ ねえ、引いた？