ベン・ショットの英国博覧記

ベン・ショットの英国博覧記

ベン・ショットの英国博覧記

買いました。読みました。以下感想文。
知的好奇心のど真ん中よりちょっとずれた部分のとても微妙なところをうまい具合にくすぐるような情報がスペースいっぱいに幕の内よろしく詰め込まれた素敵本。一読しての感想をあえてチープさを恐れずに一言で表現するなら、世界は広いなあ。イギリスの子供の数え歌とか、日本にいたら知り得るはずもないわけで、だからすごく新鮮。読み進むほどに見たこともないかたちに世界が浮き彫りになっていく。また、情報をチョイスしている意味での主観はもちろん存在するけれどもそれ以外の著者の主観は記事内には一切入り込んでいない。硬派。最初から順番に読破するよりも適当に開いたページに出会いを求めるのがおそらく正しい読み方。
これ、すごく面白かったんですけど、ある場所では当たり前のことを別の場所ではこんなに面白がれるってのは、やっぱり無自覚のうちに世界を固定観念で捉えてしまっているのだろうなあ。これはそういう無意識につくりあげている観念の軸をぐらぐら揺さぶってくれる良書だと思います。とりあえず、この本をネタにしばらくは薀蓄野郎としてまわりの人に鬱陶しがられたいと思います。
ちなみに新宿ルミネ2のブックファーストではサブカルコーナーの隣の政治コーナーに置いてありました。政治て。謎配置。おかげで店内をぐるぐる探し回ってしまった。