Week 32
#14
たとえば、情熱やら衝動やら、そういうのはつまり若さの特権みたいなものだったのだ、ということにして、理由をつけて、それは使い果たしたもの、気づいたときにはすでに失われていたものであると、だってそれは青臭くて煩わしいんだもんね、邪魔なんだよね、とはいえ自分のあちこちでぱちぱち線香花火のように弾け続けるものの存在をなんだか知っているし、これは、あれ、なんだっけ。時計の針がぐるぐる回るのを見ているうちに、いつの間にか理由をつけていた。煩わしさを徐々に削りとっていったら、なかなか半端な大人になった、くだらない、人生、これは、なんだったっけ。ぱちぱち爆ぜるどうしようもないそのぱちぱちをがっしりつかんでそれで炎上、美しくキャンプファイヤーしかるのち夜空に散る灰、となるのであっても、本気になれない言い訳ばかりをしているよりはいくらかましだろうが、おい。