ガビマツ。ライブログ @青山ギャラリー共存

http://arigato.cocolog-nifty.com/gabimatsu/ [ガビマツ。BLOG]
東京デザイナーズブロック(TDB)*1ココログエキシビションの一環として行われた松浦雅也さんと伊藤ガビンさんのトークイベントに行ってきた。パラッパコンビですな。
会場は真っ暗でガビンさんと松浦さんは松明みたいなマイクでトーク。このマイクはなんと音声に反応して光る、というキワモノ。真っ暗な中でガビンさんや松浦さんがしゃべるとその声に合わせてしゃべってる人の顔がお化けのように浮き上がるという仕組み。どんなにまじめなことしゃべっててもみんなクスクス笑ってるという。
イベント自体のコンセプトは「ライブログ」という名前が示しているのだけど、ブログをライブ的にやってみよう、というムチャなコンセプト。具体的にどうやってブログ的なものを表現するかというと、お客さんは懐中電灯を持たされていて、トーク中にその懐中電灯をカチカチ点灯させることでコメント・トラックバックを行う(発言する)、というもの。いやー、ムチャですなあ。でもこういう思い付きを本当にやってしまう軽さはいつもながら素敵ですよ本当に。まあ、コンセプトとかは正直どうでもよくて。トークの方は期待に違わずかなりおもしろかった。
トークのテーマ的にはブログというものを意識して「コミュニケーション」ということだった模様。その上で現在それぞれが関わっているもの(デジオrecommuni等)についてトークが進んだ。
デジオ*2は今、インターネット上で起きている中で一番面白いムーブメントだと思う。あれは一応インターネットラジオということになっているけど、個人が、しかもほぼ毎日発信しているという意味ではまさに音声を使ったブログと言えなくもないわけです。ちなみにデジオ界隈で今ちょっと流行っているのが歌うことらしいです。デジオじゃ普通のラジオみたいに曲流すわけにはいかないから(著作権的に)とりあえず歌うってことらしい。替え歌とかつくって。あと誰かの放送が100回記念、とかいうときに歌ってお祝いする、とか。デジオの数はポータルができてからまた一気に増えた感があって、本格的に火が点いてきた感じがする。
recommuni*3はまだβテスト中だけど、数日中に本格オープンするらしい。私はあまりよく調べてなかったので知らなかったのだけど、ユーザがアップロードした楽曲はそのまますぐに他のユーザに公開されるのではなくて、アップロードされた楽曲をrecommuniの管理者がその楽曲の権利者に許諾を得るというステップを踏んで公開となる、という仕組みらしい。また、recommuniの目的の一つとして廃盤という概念をなくす、というものもあるらしい。廃盤というのはレコード会社が在庫管理の都合で勝手に決めていることで、そんなものが存在することはたしかにおかしい。正直、そんなに騒がれてるほど期待していなかったのだけど、今日の話を聞いてたらものすごく興味が出てきた。recommuniには本気で成功してもらいたい。CCCDもなくなる方向に向かっているのだし。
ブログは書き手と読み手がコメントやトラックバックといったかたちでお互いのテキストを通じてコラボレートすることができる仕組みだ、と松浦さんは言っていた。たしかにそうだ。実際、私もはてなで書くようになってから驚くほど世界が広がったのだ。はてなの仕組みは特にそういうことを強く意識してつくられているわけだし。一方、デジオにしてもrecommuniにしても共通してるのは「ネット上での音声を使ったコミュニケーション」ということであって、この分野が今までテキストベースだったコミュニケーションとはまた違った世界を開いていきそうな雰囲気はたしかにある。デジオが独特のテンションで盛り上がっている感じは今までにない何かが始まっているということを感じさせる。
それからデジオrecommuniという今一番面白いものが、それぞれのキーマン同士がつながっている、面白いものがつながっていく、というこの状況がまた面白い。この前も同じようなこと書いたけど、素敵なことは結局全部裏でつながってるのかもしれない。まあこの二人に関してはパラッパラッパーからのつながりなのでかなり長いのだけど。ちなみにデジオポータルとrecommuniの一部は同じ人がつくってるそうです。
イベントの最後は松浦さんの弾き語りライブ! 横で3体のAIBOがダンスするというパフォーマンス付き。AIBOの内部音声は松浦さんが関わっているらしい。この人、本当にいろんなことに絡んでるよなあ。
ちなみに会場に安藤幸央さんがいた。ていうかこのイベントのこと知ったのは安藤日記からだし*4。安藤さんは私が日本人の中で一番尊敬する技術者です。手掛けている分野は全く異なるけれども。Java技術者の中ではかなり大物の部類に入る人。ガビンさんも相当尊敬している人の一人なわけだけども、その二人が全然つながりがなさそうなのにメディアアートというフィールドを通じていつの間にかつながっているというのは本当に不思議な感じ。でもなんかつながるべくしてつながってる、という感じもある。そこらへんの経緯が昔の安藤日記に書いてあった気がする。あとで探してみよう。トークショー終了後に安藤さんが興奮気味にガビンさんに話しかけてたのが印象的だった。あと、コグさんも来てて、ガビンさんの紹介で安藤さんとコグさんが名刺交換してた。うらやましかった。両方とも。ここらへんの人のつながりがゾクゾクするような何かを生み出そうとする強烈なエネルギーを発しているのだとすごく実感した。
やあ、とっても刺激を受けましたよ。最前列で聞いてたので余計に。さて自分は何をしようかな、という気持ちにさせられた。