躓かない男、野火

2015-04-02 07.54.26

#2

数年ぶりに当たり付き自販機で当たったのでそのポジティブエネルギーをどこかに還元すべく半年以上ぶりにブログなどを更新することにした。ついでにはてなダイアリーからはてなブログに移行してみた。これを機にブログ書き人間となるのだ。

近況といっても何もないけれども、ある日突然スイッチを切るように今年の夏は終了したのでまんまと風邪を引いてしまったのであった。いったいいくつになれば俺は季節の変わり目に躓かない男になれるのか。

2015-07-30 14.44.15 2015-07-30 14.46.50

#3

渋谷で映画「野火」を見た。かなり強烈で見終わったあと右手が痺れてた。内容も壮絶でありつつ、塚本晋也作品は音と映像でプリミティブにぎりぎりまで追い詰めてくるから大スクリーン大音響の映画館で見ると逃げ場がなくてなかなかやばい。現実感のない白昼夢のようなシーンがたくさんあってそれがむしろ戦場の狂気や焦燥の中でのリアルな感覚なのかもしれないと思った。味方と敵が銃口を向け合う生きるか死ぬかの一瞬の連続、というよりはゆっくり溶けて生も死も善も悪も本能も理性も何もかもがどろどろになった得体のしれない何かに自分自身がなっていく、という感じ、それが戦場なのだと思った。今まで見た戦争映画では間違いなくベストなので見たほうがいい。俺はもう二度と見たくない。

日本では過去の悲劇惨劇として戦争が語られることがほとんどだけど、世界では現在進行形の戦争が、この映画のような狂った状況が今まさにいくつも存在しているのだということを思うと、シンプルにぞっとする。いま日本ではいかに自分たちが戦争に巻き込まれないかを中心に議論がされているけれども、それとはまた別の話として、今まさに別の場所に存在している戦争をどうやってなくすか、戦争のない世界にするためには何をすべきか、ってことももっと語られなければならないと思うし、それは「戦争反対」のワンフレーズで片付く問題でもなさそう。いろいろ厳しい。